名作絵本シリーズ『ねこのまち』
ねこのまち さく・え すずきふくのあね
ここは もりのおくふかくにある ねこのまち
そこには たくさんのねこが すんでいます
すこてぃっしゅふぉーるど ぶりてぃっしゅしょーとへあ のるうぇーじゃんふぉれすときゃっと… ほかにも たくさんなかまがいます
あるひ おくびょうもののおおかみが ねこのまちに やってきました
おおかみは もりでまいごになってしまったのです
おおかみは ちかくにいたねこに たずねました
「ねえねえねこさん ここはどこだい」
ねこは おおかみのすがたにびっくりして いえのなかに とじこもってしまいました
おおかみが どうしたものかとこまっていると いっぴきのねこが はなしかけてきました
「ねえねえおおかみさん おうちにかえりたいのかい
それなら ぼくらのおうさまのおしろにきなよ
おおさまなら きっと きみのことをたすけてくれるよ」
それをきいて おおかみは いそいでおおさまのおしろへいきました
おしろについたおおかみは おうさまに わけをはなしました
それをきいた おおさまは
「そうかそうか たいへんじゃったろう いえにかえる てだすけをしてやろう
しかし もうすぐ ひがくれてしまう きょうは ここにとまっていくといい」
おおかみは おことばにあまえて とまらせてもらうことにしました
つかれきっていたおおかみは へやにつくと すぐにぐっすりと ねむってしまいました…
狼がふと目を覚ますと、部屋は暗闇に包まれていた。灯りを点けようと起き上がろうとしたが身体が動かない。何かに拘束されているようだ。それに気付くと同時に、狼は部屋が暗いのではなく、自身の目が塞がれているのだということに気付いた。恐怖が身体を蝕んでいく。狼は声を上げた。それは声と呼べるものではなかった。
頭上から話し声が聞こえてきた。猫が2匹。どちらも聞き覚えのある声だ。
「では、後は頼んだぞ」
「はい王様」
それは王様と、自分に城に行くことを勧めた猫の声だった。
「よし、じゃあ始めよう。こんなにいい肉は久しぶりだ」
頭上の声が、自分の周りにいるのであろう猫どもに合図を送った。その直後、狼は首筋に何かを刺されたのを感じた。抵抗することも出来ずに、狼はまた、眠りについた。